一次外構工事 ~隣地所有者との境界問題とコンクリートブロックの擁壁~

はじめに

一条工務店の『グランセゾン』を2020年6月に着手承諾した”たんどり”です。

今回は地鎮祭の記事を書こうと思っていたのですが、その前に一次外構の状況を報告しておこうと思います。
予告していたオプションシリーズの続きは、また改めて投稿させていただきます^^;
一次外構と関連して、我が家の擁壁、特に新たに設置されたコンクリートブロックについて我が家の検討経過を紹介したいと思います。

今回の記事内容はあくまでも我が家のケースを紹介するものです。居住地域によって施工のルールが異なりますのでご注意ください。また、記事中にも記載していますが、コンクリートブロックの施工方法は行政の認可以上に、『安全性』が最も重要です。ルールや安全性については、ハウスメーカーの営業担当さんや行政へ個別に確認いただくようお願いします。

一次外構工事の進捗

工事の内容(と見積書の金額チェック)は、以前の記事で紹介しています。
ちなみに、以前の記事で内容が分からないと言っていた件(コンクリート基礎工事)は、詳細が判明しましたので追記しています。

工期は実質、一週間も無かったかと思います。作業自体は2〜3日で終えていました。

実は隣地所有者から、一次外構で積んだブロックが若干はみ出しているのではないかとのクレームが有り、途中で積み直しの作業がありましたので、工期は中断期間を含めて10日ほどかかっています。隣地所有者との境界問題は、5mmほど我が家側にずらした事で解決済み(の筈)です。我が家の土地は、同隣地所有者との分筆もあったために境界標を一部未設置で、正確な測定が困難だったようです。最終的には一条工務店さんが外構屋さんと隣地所有者との間に入り、隣地所有者にも納得いただけました。
一条工務店の営業担当さんの動きが早く、すぐに外構業者さんへ積み直しを指示してくれましたので、早々と解決することが出来ました。

一次外構のブロック積み

画像の左側が我が家の敷地です。一次外構工事では、で囲った部分にブロック積みをしてもらいました。で囲っていない手前側のブロックは土地購入時の条件として新たに積み直してもらったブロックです。我が家の費用負担では有りませんが、我が家の所有物です。

一次外構工事では土のすき取り等も行って貰っていますが、特に書くこともない普通の話ですので、今回は省略します^^;

左奥の石積みが、以前の記事でも紹介した建築確認の無い擁壁です。

二次外構工事では、ブロックの上にフェンスを設置していく予定です。

我が家のブロック工事

一次外構のブロック工事について、もう少し詳しく見てみたいと思います。

工事中は施工業者さんが配筋状況等の写真を撮っていました。元請けの外構業者さんへ報告するための資料だと思われますが、ある程度しっかりした作業をしてくれていそうな印象でした。

一次外構工事の途中経過

ブロックは3段積みで、うち2段は土の中です。捨てコン(モルタル?)の上に施工していますが、しっかりしたコンクリート造りの基礎は設置していませんので、土中に埋めたブロックが基礎代わりとなります。
コンクリート基礎工事として費用を計上していた割にはちょっと残念な基礎でした。まぁ大した金額は払っていないので仕方ないですね。

コンクリートブロックは、しっかりした基礎を作り設置する工法が推奨されていますが、この部分のコンクリートブロックは地表面からの高さが20cm(ブロック1個分)程度ですので建築基準法による規制は受けません。2次外構工事の際に、この上にフェンスを設置していくわけですが、強度的には、2ブロック(80cm)毎に縦筋が入り、横筋(写真右側)も入っていますので、一般的な施工レベルの範囲内かと思われます。

コンクリートブロックによる土留め

建築基準法の規制対象となる擁壁は高さ2mを超えるものとされています。ただしそれでは2mより低ければ何でもいいのかということになってしまいますので、地方自治体によってはコンクリートブロックに関する基準等が作られています。

推奨される施工方法は、一般社団法人 全国建築コンクリートブロック工業さんのサイトに詳しく書かれていますので、コンクリートブロックを使う際は一度目を通しておくと良いかと思います。

土留めを兼ねるコンクリートブロックの施工は特に注意が必要です。そもそもコンクリートブロックによる土留め自体、全く推奨されない施工です。耐水性や強度的に、土留めには向いていません。
それでもコンクリートブロックで土留めを行う場合は、土をかぶる部分をブロック2個分の高さ(40cm)までとすることが推奨されています。一部自治体においては60㎝まで認めるといった規定もあるようです。しかし、なんと我が家の場合は1m弱の土留め部分が有ります。

土地購入時に新たに設置されたコンクリートブロックの擁壁。
左側(我が家の敷地)の土留めを兼ねています。(手前が接道側)

この写真の手前側コンクリートブロックは地表面から6段弱(120cm弱)の高さとなっていますが、手前側3.6mほどは駐車場となるため土が取り除かれます。奥の方へ傾斜が上がっていますので、土留め部分の高さは地表面から最大でも1m未満となる予定です。

建築基準法上の問題が無いとは言え、強度的にはやはり心配です。

コンクリートブロックの土留めが作られた経緯

このコンクリートブロックによる土留めは、土地購入時の条件として、隣地所有者の費用負担で設置していただきました。自分で設置するのであれば、基礎を含めて型枠ブロック等による適正な施工を依頼していたと思います。

隣地所有者の土地は旗竿地であり、以前から竿部分の面積を広げたいという要望があったらしく、以前の地権者に分筆・購入を打診していたようです。
我が家が購入した土地は、以前の地権者が『隣地所有者の要望を叶えること』を条件として売りに出していたため、我が家も分筆を了承の上で購入しました。

そんな経緯があり、隣地所有者の要望で分筆を行うため、分筆後の擁壁づくりは隣地所有者の費用負担で行うことが条件となっていたわけです(不動産屋の提案)。

分筆後も70坪ほど有りましたし、今後の近所付き合いも考えて了承したわけですが、いざ間取りを考えはじめると、左側の崖規制もあったため、結構縦長な家となってしまいました笑。

さて、隣地所有者が費用をもつとは言え、所有者は我が家となる擁壁です。
私も不動産屋を通じて、コンクリートブロックではない擁壁を作るよう交渉しましたが、隣地所有者の費用負担が増えてしまうこと、私以外の購入希望者もいること、等から難しい交渉となり、それならばせめてということで、強度が保てるような施工を行うよう依頼し、設置してもらったという経過です。

コンクリートブロックの擁壁が行政から問題視されると、建築許可が下りず、家が建てられません。
本当に家が建てられる土地なのか』という点は深刻な問題でしたので、土地売買の本契約前に、一条工務店の営業担当さんと不動産屋さんで市役所を訪問いただき、事前にコンクリートブロックによる土留めの施工方法について、問題が無いかを確認してもらっています。

確認結果としては『高さ2m未満であれば規制の範囲外であり建築許可の面で問題はない』、『高い方の地表面(我が家の敷地側)からコンクリートブロックが3個以上むき出しになる場合は施工方法の規制がかかる』ということでした。

『高さ2m未満であれば規制の範囲外であり建築許可の面で問題はない』

先ほどから述べているとおり、建築基準法の規定では2m以上の場合が擁壁となるため、特に建築方法の制限は有りません。
とはいえ、実生活を考えたときの強度の問題は当然残りますので、注意が必要です。

『高い方の地表面(我が家の敷地側)からコンクリートブロックが3個以上むき出しになる場合は施工方法の規制がかかる』

分かりにくいのですが、土留めとなり土圧がかかる、いわゆる擁壁の場合は2m未満であれば規制対象外です。ただし、土留めとならない、むき出しの『コンクリートブロックの壁』については別途、市の規制が有って、あまり高くは積めない(40㎝=約2段まで)こととされていました。勿論、控え壁を作る等の適正な施工によって、それ以上高く積むことは可能です。
先述の通り、我が家の接道側は駐車場として土をすきとるため、むき出しの『コンクリートブロックの壁』が一部現れるわけですが、施工範囲が狭く、接道側にもブロックを設置することで実質控え壁となることから、適正な施工となる見込みです。

余談ですが、実は私が購入したこの土地、以前も購入希望者が現れ、交渉の末、最終的に破談となったことがあるそうです。破談となって土地の販売情報が再掲載された際、たまたま私が見つけたということです。
地場ハウスメーカーの営業担当さんより情報提供いただいていましたが、本日ご近所への挨拶回りをしていたら、近所の方から『以前の購入予定者も挨拶に来た』という話を教えていただきました^^;
左側は崖規制・右側は隣地所有者との分筆・接道向かい側は大規模宅地造成と、なかなか複雑な土地でしたので、幸いにして私のところに回ってきたのです。
お陰様で周辺土地相場よりもかなり安く購入できましたし、何かと苦労はしていますが、今考えてもラッキーだったなと思っています。

コンクリートブロックによる土留めの強度

家が建てられる土地なのかという点は市にも事前確認済みですが、行政の認可以上に重要なのは、実際の安全性です
隣地(右側)は旗竿地の通路部分であり家は建たないのですが、高さ1m程度の土留めとは言え、やはり崩れたときは大きな迷惑をかけてしまいます。

また、土留めが崩れてしまうと、家屋が傾いてしまう可能性、最悪倒れてしまう可能性も有ります。

出典:一般社団法人 地盤優良事業者連合会

上の画像は擁壁の影響範囲を示したものですが、安息角ラインとして、以下の基準が示されています。

  • 切土の場合・・・45度
  • 盛土の場合・・・30度

切土の場合というのは、傾斜地を削って作った擁壁を指します。盛土の場合というのは、逆に傾斜地に土を盛って作った擁壁です。我が家の場合、新たに擁壁を設けた場所は分筆前に家が建っていた部分ですので、切土の擁壁となります。

このため、安息角ラインは45度と考えて良さそうです。

配置図面

我が家の配置図面です。これを見ると、新たに積まれた擁壁から家の端までの長さは1mとなっていることが分かります。

この場合の土圧の掛かり方は以下のイメージです。
あくまでも基本的な考え方として、参考にお示しします。

擁壁の高さが1m弱であり、擁壁(の中心)から基礎(外壁の中心)までの距離が1mということであれば、オレンジ色の部分に家の土圧がかかることとなります。
このケースであれば、図を見ていただくと分かる通り、土圧の掛かる部分が全て土の中であり、圧力を受け止めることができそうです。

特に注意すべきは上の画像のようなケースです。土圧がかかる部分のうち、点線で囲んだ部分は土がなく、擁壁のみで圧力を受け止める形となります。こういったケースでは、強固な擁壁としておかなければ、土圧の影響でいつか崩れる虞があります。

一次外構工事とコンクリートブロックのまとめ

我が家の場合、家屋の土圧を受けない1m未満の擁壁ということで、コンクリートブロックではあるものの、どうにか問題なく暮らしていけるかなと考えています。勿論、一条工務店さんもこれで大丈夫だろうということで着手承諾に至っています。ただし本来であれば、このような心配をすることなく安心して暮らしていきたいものです。

今回は、一次外構工事と分筆によるコンクリートブロック擁壁の紹介でした。
読者の皆様方は安心して暮らせる家が建てられるよう祈ります。

次回は、地鎮祭の記事を書きたいと思います。
それではまたお会いしましょう^^

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