はじめに
一条工務店の『グランセゾン』を2020年6月に着手承諾した”たんどり”です。
2020.9.26 一部追記しました。
今回は久々にオプション紹介シリーズということで、エアコンについて紹介します。
家づくりの検討をはじめるまでは、エアコンなんて部屋が冷えればそれでいいと思っていました。(暖房は床暖房のみで乗り切るつもりです)
しかし、一条工務店の先輩施主さんは空調に関する造詣が深い方が多いようで、一条工務店関係のブログを読み漁るうちに、だんだんとエアコンに興味を持ちはじめました。
とは言え、エアコンについては正直あまり詳細な下調べをせずに勢いで決めてしまった感があります^^;
役立つかどうか分かりませんが、我が家のエアコン関係のオプションについて紹介したいと思います。
オプション紹介シリーズはカテゴリー『我が家のオプション』からご覧ください。
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エアコンの再熱除湿機能とは
まずは、エアコン選びの基礎知識として、再熱除湿機能について紹介します。我が家は一条工務店さんにエアコンを2台設置して貰いますが、いずれも再熱除湿付の機種を選びました。
室温が下がらない「再熱除湿」の仕組み。氷水が入ったグラスに水滴が付くのと同じ原理で、エアコン室内機内部の熱交換器を冷やし、空気中の水分を除去します。その後、水分を除去して冷たくなった空気とあたためた空気を混ぜて、ちょうどいい温度にします。
出典:三菱電機
通常のエアコンで除湿した場合、エアコン内の熱交換器により空気を冷やすことで空気中の水分を除去し、冷えた空気はそのまま部屋へと放出されます。このタイプの除湿は弱冷房と同じですが、設定温度を下回るとサーモオフ(温度低下を検知し機能停止)により、送風のみの状態となります。このため、温度設定せずに除湿すると室温が低下しても弱冷房による除湿を続けるため寒いと感じてしまう状況となり、弱冷房設定による除湿を試みるとサーモオフにより室温が冷えた中で送風のみとなり、湿度が上がって余計にジメジメする、という状態に陥ります。
現在の我が家も梅雨時はジメジメとして過ごしにくいので、エアコンの除湿機能を使っています。ですが、やはり冷えすぎてしまったり、かといってエアコンを止めるとジメジメして暑くなってしまいます。
これを解決するための機能が再熱除湿です。空気を冷やし乾燥させた後で、空気を温め直して放出してくれますので、寒くならずに湿度だけを下げることができます。これでジメジメした日本の夏も過ごしやすくなる、らしいです。
再熱除湿についてまだまだ知りたいという方は、先輩施主のブログ等をご参照下さい^^;
適正なエアコンのサイズとは
日経新聞のサイトで良い記事がありました。
間違いだらけのエアコン選び 「過大能力」避ける常識(松尾和也 松尾設計室代表)
この記事を書いている松尾和也さんは、『ホントは安いエコハウス』等の著書で知られる、省エネ住宅の第一人者です。この方のYouTubeチャンネルは、エコな家づくりを考えている方にはかなり面白い内容かと思いますので、是非一度はご覧いただきたいと思います。私もチャンネル登録させていただいています^^
現在のエアコンの『畳数』は50年以上前に定められた基準です。当時のスカスカな家と現在の住宅、特に一条工務店さんのように高気密高断熱に取り組んでいるハウスメーカーの住宅では、気密性、断熱性に大きな差があります。冷暖房の負荷が小さい家では、エアコンの仕様に記載された畳数を参考として選択するとオーバースペックとなってしまいます。
動画の中でも話されていますが、気密性や断熱性、日射制御等に応じたエアコン選びが重要ということですね。
エアコンの適正サイズ〜我が家の場合〜
我が家は現時点でQ値やUA値を算出してもらっていません。以前は一条工務店さんにQ値を5万円で算出してもらえたようですが、現在も可能なんでしょうか。とりあえず、概算のQ値算出は今自分で試してみていますので、またその辺も記事にしていきたいと思います。
C値については、一条工務店さんの場合、全棟気密測定されますので、計測後にまた紹介します。
Q値やC値が分からない中では勘で畳数を選ぶしかない訳ですが、我が家の場合はエアコン1台での全館空調を目指している訳では有りませんので、最小畳数のエアコンを選択しています。
ちなみに我が家の場合、当面はLDK21畳+吹抜け9畳+2階ホール5.5畳=35.5畳の空間を、2階ホールのエアコン1台で賄う予定です。夏になって暑かったらLDKにエアコン1台追加予定です。
概算による畳数算出(暖房能力ベース)
正確な値が分からない中では有りますが、折角なので先程紹介した記事中に紹介されているこちらの式を使い、概算で算出してみます。
- Q値…1.0(セゾン系を参考とした値)
- C値…0.7(気密測定時の最低基準)
- 部屋面積…64.7㎡(35.5畳×1.8)
- 設定室温…20℃(環境省推奨値)
- 最低気温…0℃(適当です)
(1.0+0.7/10)*64.7*(20-0)=1,384W=1.384kW
ちなみにQ値を1.5とした場合は2.031kWです。
冷房ベースで考える場合は日射制御等の影響も考慮する必要が有りますし、天井高等も考慮していませんのであくまでも参考値ですが、2kW程度のエアコンで大丈夫かもしれないということが分かります。
エアコン1台による全館空調?
ちなみにエアコン1台での全館冷房を行う場合、当然ながら各部屋のドアを開放しておく必要が有ります。
『繋がり感』をテーマとしている我が家ですが、子供が小さいうちならともかく、子供が成長した後も常にドア開放の生活を続けることはさすがに困難かなと思い、今のところ各部屋にエアコンを設置する方向です。
2階ホールのエアコン 87,000円
さて、我が家に設置するエアコンですが、2階ホールにはJXVシリーズ 2.2kW(フィルター自動清掃機能付) MSZ-JXV2220を設置します。霧ヶ峰の再熱除湿モデルです。
グランセゾンのオプション表に掲載されたエアコンの中ではJXVシリーズのみが再熱除湿モデルです(我が家の検討時点)。日立の白くまくん等、他社の再熱除湿モデルもお金さえ払えば採用可能です。
最小サイズにしましたので、オプション価格は、87,000円(本体価格)でした。先ほど概算による適正サイズを算出しましたが、やはり6畳用の2.2kWで十分かもしれませんね^^
MSZ-JXV2220
参考までに仕様表を掲載します。長くなってしまいますので、詳細は興味ある方だけご確認ください^^;
設置場所
2階ホールのエアコンは、階段を登った先に設置しました。エアコンを設置できる壁が少なく設置場所に苦労しましたが、良さそうな位置に設置出来ました。ただ、階段が近いのでメンテの際は転落しないように気を付けたいと思います。高齢になった時、エアコン自体は交換していても設置位置を変えるのは困難(二階ホールの他の場所だと隠蔽配管必須)なので、足腰が弱くなった時のメンテを考えるとオススメできない設置位置かもしれません^^;
エアコンの風が2階ホールへ広がり2階を冷やし、冷気が1階LDKへ下りていくイメージです。
この1台で2階ホールと1階LDKをカバーする予定です。が、エアコンを24時間連続稼働する予定は有りませんので、夏の帰宅時等は冷えるまでに時間がかかってしまうと思います。
よって念のため、1階LDKと和室にもそれぞれ『将来用スリーブ(エアコン設置用の穴)』を設置してもらいます。
1台では厳しいなと思った場合は、1階LDKに追加でエアコンを設置したいと思います。和室は来客用の寝床(扉を閉めてもエアコンが使えるように)として、また、将来高齢になった時の寝室としても使えるように、将来用スリーブを設置しています。ちなみに将来用スリーブの施工は無料です^^
ロスガード(うるケア)も有りますので空気の循環は自動的に行われるわけですが、念のためサーキュレーターの設置による空気の循環も行えるよう、コンセントの設置位置を配慮しました。
2階ホールからLDKの吹抜け天井部分へ風を送れば、上手く循環しそうな気がします^^
主寝室のエアコン 87,000円
主寝室にも、2階ホールと同じJXVシリーズ 2.2kW(フィルター自動清掃機能付) MSZ-JXV2220を設置します。
これまで見てきた通り、主寝室6畳に対してはちょっとオーバースペック気味ですが、これが最小サイズですので仕方ありません^^;
RAYエアコン室内機取りやめ △40,000円
一条工務店さんの場合、RAYエアコンが1台標準で(追加費用無しで)設置できます。このRAYエアコンは、床暖房システムの室外機も兼ねています。
RAYエアコンとは
RAYエアコンは長府製作所さんの温水熱源機付エアコンです。一条工務店さんの床暖房は、この温水熱源機(室外機)を使用しています。
このため、床暖房とエアコンを同時使用することは出来ません。余談ですが、さらぽか冷房とエアコンの冷房は、パワーが弱まるものの同時使用可という話もあるようです。
うるケアの場合は上の『温水熱源機付エアコン』、さらぽかの場合は『冷温水熱源機付エアコン』かと思われます。我が家は結局不採用なので機種詳細は営業担当さんなりにご確認ください。
エアコン本体や室外機等を一式セットでこの価格(定価)です。エアコン本体を除いた室外機(ヒートポンプ式温水熱源機)とリモコンのみでも、定価400,800円〜です。
我が家の仕様書には『AEYH』と記載されていますので上のタイプと思われますが、AEYH以下の型番が不明ですので、異なる機種である可能性もあります(一条工務店さんの場合、型番に「IJ」を付けた独自仕様であるパターンも多いですので^^;)。
とりあえず、室外機が高いということが分かるかと思います。こうなると最早本体は室外機で、エアコンはオマケのようなものですね。
RAYエアコンを不採用とした理由
再熱除湿機能が無いこと
以前のRAYエアコンは再熱除湿が付いていましたが、現行機種には再熱除湿機能がありません。このため先程紹介した通り、梅雨時等は室温低下によるサーモオフか発生し、ジメジメとした室内環境となる可能性があります。
メインの再熱除湿エアコンに加えて、RAYエアコンを補助的に使う選択肢も有りましたが、以下紹介する理由から、その選択も行いませんでした。
いざ故障した場合に面倒
室内機の交換
RAYエアコン本体(室内機)が故障した場合、室内機のみの交換であれば先程メーカーサイトで確認した通り、そこまで高額にはなりません。調べてみると、6万円程度の交換費用(一条工務店さんの既存施主向け特別価格)だったとの情報が見つかります。
ただ、再熱除湿機種への切替え等を希望し、RAYエアコン以外の機種を選択する場合は、室外機を床暖房と共有しているため別途対応が必要となります。新たなエアコンの室外機を別途設置し、床暖房の室外機から旧RAYエアコンを切り離す必要があります。この辺が少し面倒なのです。
隠蔽配管(配管の壁内埋め込み)としていた場合は、壁裏と床下に配管をそのまま残し、新たなエアコンを露出配管とする施工となる可能性が有ります(旧配管を新エアコンで再利用できるかどうかは保証されません)。また、床暖房の室外機はRAYエアコン(室内機)から電源供給を受けているため、室外機用の200V電源供給についても別途手当する必要が有るようです。
元から床暖房と切り離して(室内機を取りやめて)露出配管にしておけば、電器屋等のセールで適当に好きなエアコンを何も考えずに設置することができます。加えて言うと、長府製作所さんはエアコンメーカーとして有名(主流)とは言い難いと思いますので、商品の継続性という面でも検討が必要かもしれません。
室外機の交換
室外機が故障した場合は、そこそこの費用がかかります。定価400,800円〜ですので、割引が有っても設置費等を考慮すると、やはり40万程度の出費は覚悟する必要が有りそうです。(口コミでは25〜55万円位で幅が有るようです)
ただ、これについては、RAYエアコン(室内機)を取りやめしていても、室外機は床暖房用として設置されていますので、故障時の交換コストが高額という点は同じです。床暖房とエアコンの併用よりは、床暖房のみに使用した方が負荷が小さいという意味では、RAYエアコンを取りやめしていた方が、長持ちする可能性は多少あるかもしれません。
取りやめの場合は減額となること
RAYエアコンを取りやめた場合は、4万円の減額です。(さらぽかの場合は、室外機の種類が異なるためなのか、減額幅がもっと小さいようです)
検討当初は「取り止めても減額幅が小さいな^^;」と思っていましたが、先ほどから見てきたRAYエアコンの定価設定を踏まえると、割と適正な減額幅かと思います。
サイズはだいぶ異なりますが、再熱除湿のエアコンが87,000円ですので、差額47,000円です。この差額で床暖房室外機の個別電源が確保されて、再熱除湿も手に入ります。将来のメンテも考えれば悪くない選択かと思い、我が家はRAYエアコンを取りやめしました。
配管について
配管方法は選べる
エアコンの配管は、露出配管と先行配管(隠蔽配管)から選べます。外壁に面していない壁にエアコンを設置する場合は、露出できないので隠蔽配管となります。
先ほども少し触れましたが、隠蔽配管の場合はエアコンの交換をする際に、旧配管をそのまま利用できない可能性が有りますので、注意が必要です。
エアコンの設置位置を外壁沿いにすることで、隠蔽配管を避けることが可能です。また、エアコンの設置位置は室外機の置き場所にも繋がりますので、庭や外観を考慮しながら考える必要が有ります。
我が家のエアコン配管
我が家は全てのエアコンを露出配管としました。配管イメージはこんな感じ(赤線部分)です。
なるべく接道側(北)と庭側(南)には配管を露出させたくなかったのですが、接道側には一ヶ所、エアコンの配管を設置せざるを得ませんでした(画像は省略しています)。子供部屋用のエアコンです。
ちなみにエアコンの配管は、お願いすれば横引き(エアコンの後ろの壁ではなく横の壁から配管を通すこと)も可能です。我が家は、露出配管を目立たない位置へ移動するために一部の配管を横から出してもらいました。
また、エアコンのコンセントは天井付けとすることも可能です。我が家は全て天井付けとしました。ホコリが溜まりにくく、コンセントが目立ちにくいのがメリットです。デメリットは、脚立等が無ければコンセントに届かないことと、天井のコンセントから伸びるコードにはやはりホコリが溜まることです。この辺は好みの問題ですね^^;
配管の費用
我が家のエアコン工事は一式で226,000円と記載されています。この中に配管費用も含まれているようです。本体価格は87,000円×2=174,000円ですので、差し引き52,000円だったようです。
オプション表の価格を見ると、露出配管では同一階直下で2万円です。我が家の場合は、同一階ではなく2階から直下ですので、一ヶ所26千円程度となったようですね。
ちなみにrayエアコンを採用していれば、「標準」ということで設置費用も取られないのではないでしょうか。rayエアコンと再熱除湿エアコンとの価格差を先程47,000円と紹介しましたが、設置費用2万円を加えて考える必要があるかもしれませんね。
エアコンの設置のみは依頼できる?
我が家は現在の賃貸で安いエアコンを購入し、使用しています。これを持ち込みたいので設置だけしてほしいと一条工務店さんへお願いしましたが、設置のみの場合は他の業者さんへお願いしてほしいと断られてしまいました。
引越し屋さんへ依頼し、子供部屋にでも設置してもらおうと思っています。
ちなみにこのエアコンには再熱除湿機能が有りません。ちょっと可哀想な気もしますが笑、まぁ子供には普通のエアコンでも十分かなと思っています^^;
エアコンのオプションまとめ
再熱除湿エアコン2台+工事費で226,000円でした!
皆様がエアコンを検討する際の参考となれば幸いです。
それでは、またお会いしましょう^^
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