はじめに
一条工務店の『グランセゾン』を2020年6月に着手承諾し、2020年8月に着工した”たんどり”です。
今回は、先日行った気密測定の結果を報告します。
一生に一度の家づくりですので、大抵の人は気密測定も人生で一度しか経験出来ません。私は珍しいモノ好きですので、是非立ち会いたいと思っていました。
ということで、上棟後に監督さんへお願いしていましたので、事前連絡をいただき無事に立ち会うことが出来ました。
我が家の工事の進捗に関する記事は、カテゴリー『工事の進捗』にまとめていますので、あわせてご参照ください^^
気密測定とは
そのままなんですが、気密測定とは、住宅の気密性能を測定し、気密性を表す指標であるC値を算出することです。
断熱性能の指標はQ値やUA値ですが、これらの値は、断熱材の種類や厚み、窓のサイズや断熱性能等を基に、図面等から算出します。実際に何らかの機器で測定するわけでは有りません。
気密性能の指標がC値です。
C値とは、住宅における相当隙間面積のことです。建物全体にある隙間面積(cm2)を延床面積(m2)で割った数値で、建物の気密性能の指標として用いられています。
C値の測定は、実際に建てられた建物内で、専門の気密測定試験機を使って行います。数値が小さいほど優れた気密性をもつ建物といえます。
出典:SUUMO
家の隙間がどれだけあるかという話ですので、図面上では計算出来ません。図面は当然、隙間なく施工する前提で作られますが、実際の現場ではその通りになりません。
このためC値は、家の隙間面積を測定する=現場工事の精度を測るための指標とも言えるかと思います。
C値が低いということは、家の隙間が小さいということですので、エアコンがよく効きますし、外気や虫が入ってきにくいということです。せっかくロスガードでフィルターを通した空気を24時間換気していても、C値が高く隙間だらけの家だと、フィルターを介さず外気がそのまま入ってきてしまいます。
そんな訳で、快適で低燃費な家を目指すためには気密性が大切であり、その気密性を実際に確認する手順が気密測定な訳です。
気密測定のコスト
一条工務店さんは、全棟気密検査を行っていますので、測定にオプション料金はかかりません。
私が検討候補としていた地場ハウスメーカーは全棟での気密測定は行っていませんでしたが、オプション料金を支払えば、気密測定を行ってもらえるとのことでした。ちなみに、測定費用は5〜6万円程度のようです。個人的には、一生に一度の家づくりですから、オプション料金を支払ってでも気密測定を行うことをオススメします。
例えば、C値1.0を下回る等の約束が出来れば、施工不良でスカスカな家に住むハメになるリスクを減らすことが出来ます。
一定値を下回ることを確約させようとすると、ハウスメーカー側も構えますのでなかなか了解してもらえないと思います。そんな時は、C値1.0を下回るよう最大限努力する旨の約束を取り付けるだけでも、効果が有ると思います。少なくとも超えた時は、気休めかもしれませんが、コーキング等での補修を依頼しやすくなると思います。
気密測定の様子
我が家は床暖房パネルが貼られた後のタイミングで、気密測定を行いました。
部屋内の空気を床下に排出する減圧法で計測します。部屋内が負圧になる形です。
画像左側の筒状の機器で空気を出し入れし、右のアルミケースに数値が表示されます。
測定中はこんな画面が表示されています。室内と室外の圧力差が50Paとなるまで測定が続きます。
気密測定の結果
5分程度で計測が終わり、画面に結果が表示されます。
我が家のC値
計測結果はこんなレシートみたいな感じで出力されます。記念に貰ったのですが、本当にレシート感覚でカバンに雑に入れていたらボロボロになってしまいました笑。
- 総相当隙間面積 70cm²
- 建物外皮の実質延べ床面積 123.73m²
- C値(相当隙間面積) 70÷123.73=0.565…
ということで、我が家のC値は0.57でした!
小数点第一位までだと0.6ですが、これだと何となく寂しい気がするので、小数点第二位までで示してみました笑。
計測は計3回行われ、その平均値が実績となります。我が家の場合、総相当隙間面積が70,71,69でしたので平均70となり、結果は変わらずでした。
C値の有利不利
C値は一般的に、掃き出し窓や引違い窓が多ければ不利になります。窓のサッシから空気が漏れやすいためです。我が家の場合、開き窓がオプションとなるホールと手が届かない吹抜けの窓以外は全て開き窓としており、リビングと和室には掃き出し窓を設置していますので、割と不利な条件かと思います。
ちなみに、家が広いほど有利で、平屋の方が不利とも言われています。この辺は測定方法の問題という気もします^^;
ちなみに、アイシネンやアクアフォーム等の現場発泡の吹付け断熱材をメインの断熱材として採用しているハウスメーカーは良いC値を出す所が多い印象です。構造用面材で家を囲った後、気密テープで隙間を塞ぎ、断熱材を直接吹付けていくことで、隙間が出来にくい家づくりが割と簡単に出来るためです。我が家が検討していた地場ハウスメーカーは、面材(ダイライト)にアクアフォームの施工でC値0.1を実現していました。
当然ながら、現場発泡の吹付け断熱材であっても施工方法次第では気密が取れません。
一条工務店さんの場合、構造用合板同士の繋ぎ目に気密テープは施工せず、断熱材(EPS)を嵌め込んでいく形ですので、どうしても細かい隙間は生じてしまうんだろうと思います(EPSに切れ目を入れて隙間が生じにくい加工はしてあります)。
勿論、それでも充分なレベルでは有りますが^^;
隙間特性値nとは
また、先程のレシートには隙間特性値nという数値も表示されていますが、この値は1〜2の間で表示され、隙間のサイズを示します。1に近ければ小さい隙間が多く、2に近ければ大きい隙間があるということです。我が家は、ちょうど中間の1.5でした。隙間のサイズは普通(?)という、何とも言えない結果です笑。
気密測定結果の正式報告
私が帰った後、監督さんが確認のために改めて測定するとのことでした。気密測定結果は、改めて正式にレポートとして一条工務店さんから報告いただける予定です。
窓を空けて計測してみると
気密測定時は窓を閉めて、給気口や排水口、換気扇の口を塞ぎます。計画換気以外の隙間から、どれだけ空気が漏れるかを測定するためです。
それでは、窓を少し空けて計測してみると、どうなるのでしょうか。
監督さんのご厚意で、ちょっとだけ窓を空けた状態で計測してもらいました。試しに上の画像くらいの隙間を作ってみます。分かりにくいですが、外の青いネットが少しだけ見える幅の分、窓を開けています。
先程の測定よりも総相当隙間面積が倍になり、C値は1.13となりました。
隙間特性値nは1.92となり2に大きく近付きました。空けている窓の隙間が大きいからですね。
ちゃんと測定機器が機能していることも確認できますね笑。
C値1.13というと、一般的にはそれほど悪い数値でもないと思います。それでも、これだけの隙間が有ると思うと、家の性能としてC値が重要な目安であることが改めて実感できました。
これだけ窓が空いていれば外気がどんどん入ってきますし、隙間の形次第ではありますが、小さい虫が入ってくる可能性も高まります。
やはり、C値は低いに越したことはない、ということが分かります。
一条工務店さんの平均値
ちなみに、一条工務店さんのC値の平均値はどんな感じなんでしょうか。
一条工務店さんの公式サイトの情報(記事投稿時点)では、枠組壁工法(i-smart、i-cube)での平均実測値は0.59とのことです。
グランセゾン等のセゾン系、ブリアール、百年はこちらです。C値の平均は0.61です。
我が家のC値は0.57でしたので、一条工務店さんの平均値と大体同じくらいの水準ですね。
なお、一条工務店さんではC値の基準を0.7と設定しています。0.7を超える場合は原因を探り、コーキング等で補修した後、再測定となります。C値の測定データを本社に提出しなければ次の工程へ進めないため、かつては3日がかりで補修作業を行ったこともあるそうです笑。サーモグラフィ等は使用せず、他の現場監督さんにも応援を頼んで人海戦術で気密漏れの箇所を見つけ出すんだとか。
ただし、監督さんによると、気密測定データの積み重ねにより、気密性能を向上させる施工の知見も得られていて、その知見を活かした加工等により、C値も年々改善されているんだそうです。最近は一発目の測定で0.7以下の基準値内に入ることが多いとのことでした。
ちなみに、例えば0.749であったとしても、機器上の表示は0.7ですので、基準内ということになるそうです。それを良しとするか否かは現場監督さん次第です。施主側としては、0.6台(0.700未満)となるよう補修作業に取り組んでくれる監督さんに担当してもらいたいですね^^
気密測定のタイミング
一条工務店さんの気密測定タイミングは、最近だと床暖房パネルを貼る前、上棟後の早めのタイミングで測ることが増えているそうです。
その方が、問題を早期に発見出来て補修も行いやすいからだろうと思います。
我が家の場合、床暖房パネルが貼られた後に計測していますが、更にこれから床板が貼られ、壁には石膏ボードと壁紙が貼られていきます。
このように家が完成に近付くにつれて、隙間も埋まっていきますので、完成後に改めて計測すれば、もっといい数値になるとのことでした。
早い段階で計測すれば若干高めのC値となるが補修しやすい、完成後に計測すれば低めのC値となるが補修しにくい、ということで、C値の計測がどの時点だったのかということも、C値を語る上では念頭に置いておく必要が有りそうです。お金があれば別料金を払って完成後にも測ってみたいところです笑。
おわりに
今回は我が家の気密測定結果の報告でした。
『我が家は高気密住宅です!』と胸を張って言えるのは、何となくC値0.5未満からなのかなと、個人的には思います。色んなサイトでも、最低でもC値1.0以下、出来れば0.5以下という表現をよく目にします。
我が家の場合は0.5に一歩届きませんでしたが、そもそも気密を意識した窓にはしていませんので、まぁ充分かなと概ね(笑)、満足しています^^
それでは、また次回お会いしましょう^^
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