スマホ時代の土地探し②〜土地の評価の判断材料〜

はじめに

一条工務店の『グランセゾン』を2020年6月に着手承諾した”たんどり”です。

我が家の進捗は、現在基礎工事が始まった頃、の筈です。ハズというのは、見に行けていないからです^^; 週末には現場を見に行きますので楽しみにしています^^

と書いていたところでしたが、先ほど工事監督から『着工は月末になる』との連絡がありました。他の方の工事予定も詰まっていて調整が上手くいかず、とのことでした^^;
『完成時期が遅れるわけではない』との確認は取れましたので、仕方がないですね。楽しみは先送りとなりました。

さて今回は、土地探しについて紹介するシリーズの2回目です。『土地の評価』を中心に、続きを書いていきたいと思います。

前回の記事はこちらです。

良い土地とは何か?

前回の記事では主に、土地情報の集め方を見てきました。次は、良さそうな土地が見つかった場合、その『良さそう』を『良い』に近付けるために、どんな情報を確認するべきか、紹介したいと思います。

ただし、『良い土地』かどうかは個人の主観に基づく流動的な評価ですので、これから紹介する評価がどうであれ、大事なことは自分にとって良いかどうかだと思います。あくまでも判断材料の一つとして紹介します^^

一物四価(一物五価)とは

土地の評価については、『一物四価』という言葉が有ります。

一物四価とは、土地を評価したり価値を指標化する際の、4つの価格(評価価値)のこと。
1.
実勢価格:実際に市場で売買される取引価格における過去の実績の平均的な金額のこと。いわゆる「時価」といわれるもので、取引事例や近隣の取引価格を参考にする場合が多い。
2.公示価格:国土交通省が毎年1月1日時点の土地を算定した価格で、一般の土地取引の指標とされている。
3.相続税評価額:国税庁が算定するもので、毎年1月1日時点の価額で7月に公表される。
4.固定資産税評価額:固定資産税を徴税するために固定資産税の算定の基礎となる土地価格を評価したもの。3年に1度、前年1月1日を基準にして公表される。
以上、それぞれの用途により、4つの価額が使用されている。

出典:SUUMO(スーモ)住宅用語大辞典

実勢価格・・・実際に売り買いされる価格。
公示価格・・・土地取引の指標として国交省が公表する価格。
相続税評価額・・・相続税の算定に使われる価格。いわゆる路線価。
固定資産税評価額・・・固定資産税の算定に使われる価格。

出典:レオパレス21

これら4つの価格は、それぞれ用途が異なるため評価額も異なります。(上の表には土地の公的な価格として、実勢価格ではなく基準地標準価格が入っています)
上の表に記載されているように、固定資産税評価額は実際の土地取引価格の7割程度、路線価は実際の土地取引価格の8割程度、という基準で評価されています。

つまり、これから確認していくこの3つの基準価格と、土地の販売価格の相関はこんなイメージです。

実勢価格 ≒ 公示地価
実勢価格 ≒ 路線価 ÷ 80%
実勢価格 ≒ 固定資産税評価額 ÷ 70%

公的評価なのであくまでも参考程度ですが、我が家の土地価格を上の基準に照らして見ていきたいと思います。

我が家の土地価格

土地価格の基準と照らしていくにあたり、我が家の土地価格を紹介しておきます。

70坪で約1650万円です。坪単価は235千円です。

これまでのブログを読んでいただいている方はご存知かと思いますが、我が家の土地は何かと問題がありました。崖扱いの擁壁や分筆の調整等です。これらの問題があったため、相場よりも安く買えたと思います。

公示地価の確認方法

地価公示・地価調査・取引価格情報 | 土地総合情報システム

公示地価はこちらの国交省のサイトで公開されています。
上のリンクは通常のトップページではなく、地図から探すための画面へリンクしています。

地図上から自分の地域を選択していきます。

地図上で自分の土地から最も近い調査ポイントを選択し、『詳細表示』を押すと、公示地価が表示されます。地域によっては、都道府県地価調査のポイントが表示されるかと思いますが、都道府県地価調査と公示地価の違いは以下のとおりです。

地価公示と都道府県地価調査の違い

地価公示は国交省の調査で、都道府県地価調査は都道府県の調査です。地価公示が都市部中心であるのに対し、都道府県地価調査では幅広いエリアが調査されています。
『土地総合情報システム』で検索する際は両方のデータから検索しましょう。

我が家に最も近い公示地価の調査ポイント

我が家の場合、最も近いのは上の画像のポイントでした。と言っても、我が家から500m程度は離れた場所です。公示地価は調査ポイントが少ないため、そのまま参考に出来そうな方は、ごく僅かかと思います。取引価格のイメージをつかむ程度の参考情報ですね。

一応上の調査ポイントベースで我が家の土地価格を試算してみると

139千円×3.3㎡×70坪=32,109千円となります。

1坪=3.3㎡で試算しています。139千円/㎥の時、坪単価は139千円×3.3㎡=458千円です。

32百万円とは、ずいぶん大袈裟な価格が出てしまいました。

実際の取引価格は、約16,500千円ですので、価格差は+15,609千円です。

先ほど書いたとおり、500mも離れれば実勢価格は大きく変わります。あてにならない価格ですね。

路線価額の確認方法

路線価は毎年7月1日に発表されてニュースになります(ややこしいんですが、3月にニュースになるのは公示地価の情報です笑)。2020年の日本一は、銀座の鳩居堂前(35年連続)でなんと㎡単価4592万円だそうです。㎡単価なので、当たり前ですが1m×1mです。ということは、タタミの約半畳分(91cm×91㎝)で45百万円です。我が家の土地は70坪ですので、70坪×3.3㎡×4592万円=10,607百万円、もはやケタが良く分からなくなりますが、70坪分で106億円です笑。まぁ比べたところで何の意味もないですね。遠い世界の話です^^

さて、それでは路線価を使って土地の評価額を算出していきます。

財産評価基準書(国税庁)

上のリンクから路線価を確認します。直近年度分を確認しましょう。
住所を辿れるところまで辿ったら、適当な地図番号をクリックして開きます。

地図が開いたら、Google Map等と照合しながら、自分の土地を探します。探す際は、上の画像の青いの所に、隣接する地図番号が書いてありますので、地図番号を追っかけながら自分の土地を探していきましょう。

我が家の路線価

我が家の土地は、上の路線価図に赤く示した位置です。接道に74Fと書かれています。これが路線価です。単位は千円/㎥ですので、我が家の場合は、

74千円×3.3㎡×70坪=17,094千円

と算出されます。

正確に算出する場合は、土地の形による補正を行います。我が家の場合、道路に接する面が小さく(間口が狭い)、土地も変形しているため、価格を下げる補正が必要です。が、今回は簡易に算出しますので、省略しています。なお、角地の場合(接道が2本以上ある場合)、『二方路線影響加算』等の価格補正が行われ評価額が上昇します。

ただし、先に紹介した通り、この価格は実勢価格の8割程度で設定されています。
路線価額を実勢価格に戻してみましょう。

17,094千円 ÷ 80% = 21,367千円

となりました。

実際の取引価格は、約16,500千円ですので、価格差は4,867千円です。

価格補正による減額を考慮すれば、あまりプラスが無さそうです。何となく残念な気がします笑。
というのも、この路線価の基準日は2020年4月1日です。我が家の接道は、今年に入り4m道路から6m道路へ拡張されています(道路向かいの宅地開発に伴う)。このため、来年以降の路線価は、恐らく上昇すると思われます。
覚えていたら、来年(2021年)の7月、新たな路線価が発表されたら再確認してみようと思います。

この記事では『公的価格より安く買う』ことを目線において書いているため、路線価が上がることを期待しているような書きぶりになっています。実際には、公的価格が上昇しても良いことはありません。むしろ税金(固定資産税や相続税等)が上がってしまうため、住む人にとってはマイナスです。

なお、路線価は都市部のみ調査されています。このため、検討地域次第では路線価が無い場合も有りますのでご注意下さい。

固定資産税評価額の確認方法

固定資産税評価額は、市町村が3年に一度調査を行い、評価替えを行っています。
市町村の調査結果であり、残念ながら固定資産税評価額の確認は、ネット上では出来ません。

市町村の発行する『固定資産名寄せ台帳の写し(呼び方は市町村により複数パターン有り)』や『固定資産税の通知書』等で確認可能です。

取引を仲介する不動産屋は、固定資産税の清算に必要なので、売主から入手しています。検討中の段階でも提供してもらえると思いますので、お願いしてみましょう。

我が家の場合は、こんな感じです。

売主名義の課税明細書(名寄せ台帳写し)

一筆の土地が3段に分かれて記載されているのは、『小規模住宅用地の特例』の適用により、200㎡までと200㎡超の部分(62.94㎡)で固定資産税の計算方法が変わるためです。
現在は建物を取り壊していますので、R3.1.1時点で家が建っていなければ『小規模住宅用地の特例』による減税は使えません。一方、R3.1.1時点で家が建っていなければ建物にかかる固定資産税は0円です。引渡しが年を超えるか否かで税金の計算方法が変わってくるわけです。

評価額は、15,697千円でした。ただし以前の記事でも書いた通り、この土地を一部分筆しています。分筆後の地積は約235㎡ですので、按分計算で評価額を算出すると以下のようになります。

15,697千円 ÷ 262.94㎡ × 235㎡ = 14,029千円

これを実勢価格に置き換えると、

14,029千円 ÷ 70% = 20,041千円

となりました。

実際の取引価格は、約16,500千円ですので、価格差は+3,541千円です。もうちょっとプラスかなという気がしていたのですが、いざ計算してみるとこんなものでした。

しかし、先ほどの路線価は相続税なので、評価が上がっても(=納税額が上がっても)、まだ先の話と割り切れますが、固定資産税評価額の場合、毎年の固定資産税にモロに跳ね返ってきます。行政の評価が高いからといって、単純に喜べない評価です。

ちなみに固定資産税評価額は、3年に一度、市町村職員が市町村全域を実地調査し評価額を決定しています。このため、最も土地の実情が反映された評価と言えます。

が、不動産鑑定士の評価ではなく、市町村職員の評価です。我が家の事情で言えば、例えば適格擁壁か否かまでは確認していない筈です。諸々の条件込みでの適正価格は、やはり相対取引の中で売主の事情と買主の事情のバランスで決まります。これまで見てきた価格も、他の手段で確認できる価格も、あくまでも参考価格に過ぎないということは認識しておく必要があると思います。これらの参考価格と、前回紹介した相場観を踏まえて、欲しいと思った時が買い時、ということですね。

ここまで、一物四価と呼ばれる土地の評価を見てきました。次はそれ以外の評価に入っていきたいと思います。

不動産取引価格(国交省調査による土地の売買事例)

地価公示・地価調査・取引価格情報 | 土地総合情報システム

土地取引価格の事例は、先ほどの公示地価の項目でも紹介したこちらの国交省のサイトで確認できます。上のリンクは通常のトップページではなく、地図から探すための画面へリンクしています。

リンク先を開いて、左下の『3.地域を選ぶ』で確認したい地域を入力すると、地図が表示されます。表示された地図上でクリックすると、吹き出しが出てきますので、吹き出し内の『詳細を表示』を押すと、取引事例のリストが表示されます。

我が家のエリアで検索すると、このような表示でした。

我が家のエリアの検索結果

何を隠そう、一番上に表示されているのは我が家の事例です笑。

土地を購入した後、国交省からアンケートが郵送されてきます。ちゃんと回答すると、このように事例としてインターネット上に蓄積されます。今後の土地購入を検討する方が参考とできるよう、ちゃんと回答してあげましょう^^

このエリアは大規模宅地開発中であり、これから値段が上がっていく地域です。評価時点(R2.1.1)では昔ながらの住宅街で車が通れないような狭い道も多いため、価格にはバラツキ(坪8~40万円)が有ります。
このリストで紹介される事例では、当たり前ですが、正確な場所が表示されません(正確に示されると特定されてしまいます^^;)。地域一帯の取引価格イメージを掴む程度の情報として、ご活用ください。

ハザードマップ

ハザードマップ、あるいは被害予測地図(ひがいよそくちず)とは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものである。予測される災害の発生地点、被害の拡大範囲および被害程度、さらには避難経路、避難場所などの情報が既存の地図上に図示されている。

出典:wikipedia

ハザードマップは、災害が起こりそうなエリアを地図上に示したものです。例えば、急傾斜地崩壊危険区域(土砂崩れ等の虞)、海抜〇m未満(洪水被害の虞)といった、災害の可能性有無を地図上で確認できます。地域によって整備状況・確認方法が異なるので、『検討中の市町村名+ハザードマップ』といった形で検索すれば、情報が得られるかと思います。

我が家の地域では、市町村がネット上でハザードマップを公開しています。我が家の地域は、幸い何の危険情報もない空白のエリアです。

最近は度を超えた大雨等の気象災害が増えていますので、土地購入前には必ず一度確認が必要かと思います。

土地の歴史

購入予定地の歴史を調べることも面白いと思います。私も購入前に地域名で検索して、地域の歴史を簡単に調べました。我が家の地域の場合、wikipediaに詳しく書かれていました。

その地域の災害の歴史も重要ですし、町内会の活動状況や、子供が通学予定の学校の特色等も調べておきましょう。
私が以前検討していたエリアの小学校は、公立なのに特徴的な活動をしていて、大人でもハードなイベント(任意参加)が行われていて、子供を通わせるかどうか躊躇したこともありました^^;

地盤調査

土地購入の最終確認段階の話になりますが、購入前に地盤調査を行うことも重要です。

我が家の場合、傾斜地だったこともあり、売主(仲介不動産屋)にお願いして、土地購入前に地盤調査を行わせてもらいました。

ハウスメーカーを一条工務店さんで検討する場合、契約前でも無料で地盤調査を行ってもらえます。地盤調査結果は冊子にして報告してもらいました。

一条工務店さんの報告書の中で面白かったのは、昔の古地図との比較でした。開発が進む前の古い地図と比較することで、昔はどんな土地だったのか確認できます。昔は田んぼだったりすると、地盤が緩い可能性があるようです。(我が家は田んぼでした^^;)

地盤調査の結果次第で、基礎の形状(布基礎かベタ基礎か、ベタ基礎の下に柱状改良が必要か等)が変わります。地盤が緩ければ、地盤改良費用が必要となってきますので、事前に確認して良く検討しましょう。

ちなみに我が家は『ベタ基礎』の判定でした。余計な費用が掛からずラッキーでした^^

余計な費用がかからなかったと書いてはいますが、一条工務店の標準は布基礎であり、ベタ基礎はオプション料金がかかります。

おわりに

今回は、土地購入を検討する際の参考情報を紹介しました。
前回の記事を書いた時点で『スマホ時代の土地探し』というシリーズタイトルを付けていましたが、今回は全然スマホと関係ない記事になってしまいました^^;

それでは今回はこの辺で終わります。次回こそ残りのオプション紹介に戻りたいと思います。

またお会いしましょう^^

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