一条工務店ロスガード90「うるケア」について

一条工務店の第一種換気システム

2020.7.21
一条工務店HPが更新され「うるケア」情報が増えていましたので、記事に加筆しています。(画像と見出しの③電気代を追記しました)

一条工務店では第一種換気システムが標準仕様となっています。

ロスガード90というシステムです。

「I am ICHIJO」という自画自賛自己紹介の本にも開発秘話が登場する、一条工務店を代表する特徴的なシステムですね。

家中どこでも快適な温度が保たれて、新鮮な空気が流れる環境。
高気密・高断熱の家で快適・健康に過ごしていただくためには計画換気が重要です。
一条の換気システムは「熱交換型」で「高性能フィルター」を備えた「ロスガード90」が標準装備。
最大90%の温度交換効率で、省エネ性能も世界トップレベルです。

一条工務店公式HP

既に登場して何年も経過しており色々なところで紹介されていますので、詳細は省略します。

ちなみに、私が検討していた地場工務店はマーベックス社の「澄家-sumika-」を使った一種換気を標準としていました。「澄家」を採用する家も増えていそうですね。

当時調べた換気システムに関する情報も、そのうち記事にしたいと思います。

現在i-smartでは「さらぽか」も選択できます。

詳細は分かりませんが、床冷房って面白そうですね。

さらぽか」はグランセゾンでは付けられませんので調べていません・・・。

そんなロスガードですが、2019年9月に新バージョンが登場しました。

新たなロスガード「うるケア」

一条工務店HPより

従来のロスガードに加湿機能を付加したうるケアです。

「一条工務店の家は乾燥する」

家づくりを検討していた知人は、一条工務店の宿泊体験で「乾燥」を一つの大きな理由として、一条工務店を選ばなかったそうです。

加湿器って面倒ですもんね。

今、子供の部屋に加湿器を置いていますが、毎日給水が必要です。

さらにタンクを嵌める本体下部は赤い水カビが・・・。

床暖房で冬暖かく、しかも乾燥しない(お手入れもラク)

実現すればとてもありがたいことです。

一条工務店HPより

というわけで、ネット上でもまだ情報が少ないうるケアについて参考情報を掲載します。

①遠心破砕技術の紹介Movie(うるケア特設サイト)

一条工務店HPより

うるケア特設サイト 遠心破砕技術の紹介Movie(一条公式)はコチラhttps://www.ichijo.co.jp/special_movie_urucare/

遠心破砕技術はこんなプレスリリース(2013年)が見つかりました。

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2013/09/jn130925-6/jn130925-6.html

日本初※1、排水工事が不要な「スプラッシュ&マイクロミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機」を開発 〜ランニングコストも約25%削減〜

2013年にリリースされていた遠心破砕技術を家の加湿に利用したわけですね。

上のプレスリリースには「ミストが1ミクロン未満のナノ微細水」という記述が有ります。

「うるケア」にも同等の技術が採用されていると思われます。

ちなみにこんなプレスリリース(2007年)も有りました。

https://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20070925-04.html

3つのサウナモードが楽しめる『スプラッシュ&マイクロミストサウナ機能付浴室暖房乾燥機』を開発
ナノ微細水[1]によるマイクロミストサウナ[2]がさらに進化し「ソフトモード」機能を新搭載

Panasonicエコシステムズの前身、松下エコシステムズ時代から継続している技術のようです。

ナノ微細水は目に見えない細かなミストなので濡れにくく、発汗の様子がひと目でわかります。また、サウナ入浴中でも浴室用テレビや読書が楽しめ、メガネをかけても曇りにくく従来タイプと同様に、多様なサウナタイムが楽しめます。

上記記事より抜粋

という記述が有りますが、1ミクロン未満の水滴なので、読書もできちゃうようですね。

ダクト内の結露→カビが一番怖いのですが、湿りにくいミストということで、大丈夫なんでしょうかね。その辺の基本的なところはクリアしているハズ、と思い込みます。

せっかくタダで付けてくれるというのであれば、このビッグ(?)ウェーブ、乗るしかないですもんね。

②開発担当者インタビュー(うるケア特設サイト)

Panasonic担当者のインタビューMovie(一条公式)はコチラhttps://www.ichijo.co.jp/special_interview_urucare/

この動画が一番参考になりそうです。

水道水にはミネラル(カルシウムやマグネシウム)が含まれています。

蛇口に白っぽくこびりつくアレですね。

うるケアは水道の配管と直接繋がり、自身で勝手に給水します。

給水作業が不要なのはありがたいですね)

つまり、水道水を家中に撒き散らすわけです。

昔、お金の無かった学生時代、車のウォッシャー液に水道水を入れていた時期がありました。

ワイパーで水を出して掃除、これが繰り返された結果、フロントガラスの端に白いウロコがたくさん発生しました。

水道水だとこうなるんだな、ウォッシャー液って大事だな、と思ったものです。

・・・話が逸れました。

うるケアに戻りますが、今後何十年も水道水を家中に撒き散らすと思うと、また、配管内に撒き散らすと思うと、その辺(水垢)も怖いな、と思っています。

ただ、インタビュー内では、遠心破砕システムの副効果として、水滴中のカルシウム量も低減される旨、話されています。

・・・とはいえ、ダクト内が本当に清潔に保たれるのか、やはり不安なところです。

50年経過したダクトにホコリが溜まっていなかった、と一条工務店のかつてのパンフに記載があったようですが、湿度条件が変わるとどうなんでしょうか。

うーん、心配は尽きません。

ダクト内のカビについては、

使用しない時期(夏)も定期的に稼働し、清潔を保つ

ずっと稼働する時期(冬)も一日に1~2回、自動排水することで清潔な水を供給する

といった工夫がされています。

一条工務店HPより

加えて、加湿のし過ぎで室内が結露しないよう自動制御されるようです。

結露の条件は、温度と湿度ですので、温湿度センサーが内蔵されているんですかね。

セントラル換気で本体は1か所(従来のロスガードの上に置かれる形)しかありませんので、各部屋によって温度が異なるのに大丈夫かな、と心配になりましたが、一条の家は床暖房により部屋の温度が一定となりやすいため、この辺も問題ない、という判断でしょうか。

③電気代

一条工務店HPより

電気代も安い!とのことです。入居後は常につけっぱなしになるわけですから、電気代も重要ですね。
43インチの液晶テレビということで参考程度に調べてみると、価格コムの最上位(に売れている)機種が東芝のREGZA 43S22Hです。消費電力は74Wのようです。これを基準として逆算してみます。

「W(ワット)」に「h(アワー)」を加えた「Wh(ワットアワー)」は、その名の通り、電力×時間を示す単位です。 つまり電力量を指します。 50W×1h=50Wh。 が消費電力量となります。

J:COMサイトより引用

<43インチテレビの3時間あたり消費電力量>
 74W(消費電力)×3時間=222Wh(消費電力量)

うるケアの一日分の消費電力量=43インチテレビの3時間あたり消費電力量とのことですので、逆算すると

<うるケアの消費電力>
222Wh÷24h≒9.3W

あれ?ずいぶん消費電力が小さくなってしまいました。
上の画像ではうるケアの消費電力は1時間16Wと記載されていますので、先の計算を再度逆算すると

<うるケアの消費電力量>
16W(消費電力)×24時間=384Wh(消費電力量)

<43インチテレビの消費電力>
384Wh÷3h≒128W

ということで、先の画像で引き合いに出している43インチテレビの消費電力量はちょっと大袈裟な感じですね。結構古いテレビと比較したのかな、という感じでした。

さて、それはともかく消費電力16Wというのは、とても優秀な数字です。
2代目ロスガード(MAX社製)の定格消費電力は68Wとの記事が見つかります。

「定格消費電力」とは、すべての機能を最大限に使用した場合の最大数値を表しています。

https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/43652/~/(パナソニック公式サイトより)

2代目ロスガードは定格消費電力で68Wですので、ロスガードの機能をフルに使った時の消費電力が68Wということです。うるケアの場合、定格消費電力の記載が有りませんので単純に比較は出来ませんが、それでも異様に低い数字に見えます。

恐らく、うるケア機能分(加湿機能分)だけの消費電力が16Wなのだろうと思われます。
ですので、うるケア分16W(消費電力)+従来のロスガード分68W(定格消費電力)が実際の運用上に必要となる消費電力なのだろうと思われます
※うるケアのロスガード部分もMAX社製の2代目からpanasonic製に変わっていますので、ロスガード分の消費電力は不明です。

というか、そう思って一条工務店の公式サイトをよく見ると、『加湿にかかる電気代は毎月約300円!』と書かれていました笑。

一条工務店HPより

長々と書く必要もなく、やはり加湿機能分のみの消費電力なんだろうと思われます。私は換気機能分も含めて月300円かと勘違いしていました。皆様も誤解されないようにご注意ください笑。
加湿と換気の合計で考えると、上記画像の試算条件が不明なので適当に数字を出しちゃいますが、月1200~1500円程度の電気代になると思われます。

色々と書いてきましたが、一条工務店が若干遠回しに言うように、加湿機能で月300円というのはやはり優秀な数字だと思いますし、十分に魅力的な機能だと思っています。(一応フォロー)

④うるケアのパンフレット

一条が配布しているパンフレットです。

基本的なこと(良い面)しか書かれていないので、参考程度です。

新発売のシステムを導入するのは怖いですね。

初登場後のキャンペーンで無料なのは有難いのですが、加湿が原因での結露ロスガードのカビ、等、心配される面も多い商品です。

とりあえず人柱となりますので、家が建った後はレビューしたいと思います。

最後にどうでもいいですが、「うるケア」・「さらぽか」、ダイキンの「うるさら」と混乱します。

皆様も伝え間違いにご注意を。

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